Frazada
フラサダの物語
フラサダ(frazada)はスペイン語で「毛布」。アンデスの高地では、売るためではなく、家族が眠るために織られてきました。
WHAT IS FRAZADA
フラサダとは、アンデスの家族のための毛布です。
標高3,500〜4,000mのアンデス高地では、夜は真冬でなくても氷点下まで冷え込みます。フラサダは、その寒さから家族を守るために織られてきた厚手のウール織物です。羊毛を高密度に織り上げているため重く、暖かく、床に敷けば底冷えを遮ります。
もともと市場で売るために作られたものではありません。自分たちの家で使うために織り、20〜30年使い込んだあと、新しい一枚と入れ替えるときに市場へ出されます。だからこそ、市場に並ぶフラサダのほとんどがヴィンテージなのです。
WEAVERS
織るのは、家族の女性たちです。
フラサダは工房ではなく、家族の単位で織られます。織り手はおもに女性で、技術は母から娘へ、祖母から孫へと受け継がれてきました。羊毛は自分たちが飼う羊から刈り取り、「プシュカ」と呼ばれる手回しの紡錘で糸に紡ぎます。
織機は、地面に4本の杭を打って経糸を張る「4本杭の地機(テラール・デ・クアトロ・エスタカス)」か、片端を自分の腰に結ぶ腰機です。どちらも、ひとりの織り手が両腕で扱える幅にしか織れません。その幅はおよそ80cm前後が限界です。
だからフラサダは、同じ配色の織地を2枚織り、中央で縫い合わせて一枚にします。表裏どちらから見ても同じ柄になる、目の詰まった両面織りです。一枚を仕上げるのに、日々の仕事の合間を縫って4〜6週間かかります。
PROCESS
一枚ができるまで
すべての工程が手仕事です。村や家によって細部は異なりますが、大きな流れは共通しています。
- 刈る自分たちの羊から毛を刈ります。高地の羊の毛は脂分(ラノリン)を多く含み、丈夫で水をはじきます。
- 洗う石けんの代わりに、泡立つ成分を含むアンデスの植物の根を使って洗い、天日で乾かします。
- 紡ぐ手回しの紡錘「プシュカ」で糸にします。歩きながら、羊を追いながら紡ぐのが日常の風景です。
- 染める赤はコチニール(虫)、茶はクルミの木、そのほか草花や鉱物で染めます。20世紀後半からは化学染料の鮮やかな色も加わりました。
- 織る地面に杭を打ち、経糸を張って織ります。縞の配色は、その家に伝わる順番で決まっています。
- 接ぐ2枚を中央で縫い合わせます。色糸で三角や矢羽の飾り縫いを入れることも多く、これが一枚の「顔」になります。
PATTERNS
縞と模様に、暮らしが織り込まれています。
フラサダの基本は縞(リスタ)です。色の順番と幅は、村や家ごとに受け継がれた「配色の型」で、同じ地域のものは並べると家族のように似ています。縞の間に細い線が入るのは、織り手が経糸の本数を数えながら織っている証拠です。
縞の中に織り込まれる図柄には、アンデスで長く共有されてきた意味があります。菱形は湖やチャカナ(アンデスの十字。天上・地上・地下の三つの世界をつなぐ橋)を表します。ジグザグは川(マユ)や山道です。太陽(インティ)、星(チャスカ)、花(ティカ)、リャマやコンドルも織られます。
ただし、意味は共同体ごとに少しずつ違い、書物ではなく織り手の間で口伝えされてきたものです。当店では、現地で聞いた話とアンデス織物の研究をもとに、一枚ごとの説明文で模様の読み方をお伝えしています。
VINTAGE
20〜30年、家族に使われてきたもの。
当店のフラサダは、いずれも20〜30年ほど前に織られ、家庭で使われてきたものです。年代は買い付けの際に売り手から聞き取り、織りの密度や糸、染料の様子と照らし合わせています。
使い込まれた羊毛は新品にはない柔らかさがあり、色は落ち着いています。毛羽立ち、褪せ、当時の糸での補修跡は、その家で過ごした時間そのものです。当店では手を加えず、そのままお届けしています。
BUYING
Otsuksが、ペルーで自分の目で選んでいます。
当店のラグは、代表が実際にペルーへ渡り、ピサックやクスコの市場、その周辺の小さな村の市場で一枚ずつ手に取って選んだものです。仲介業者を通した仕入れではありません。
見るのは、織りの密度、羊毛の状態、色の組み合わせ、そして日本の部屋に置いたときの姿です。現地で気に入っても、日本の住まいに合わないと感じたものは持ち帰りません。だから点数は多くありませんが、どれも自信を持っておすすめできる一枚です。買い付けの様子は旅の記録に書いています。
SIZE & USE
日本の部屋での選び方。
フラサダは毛布として織られているため、日本のラグの規格サイズとは少し違います。目安は次のとおりです。
- 120×150cm前後:ソファの前、ベッドサイド、玄関、一人掛けの椅子まわり
- 150×160cm前後:6畳の部屋の中央、こたつの下敷き、ローテーブルまわり
- 160×180cm以上:リビングの主役、ベッドカバー、大きなソファの掛け布
床に敷くだけでなく、ソファやベッドに掛ける、壁に掛ける、車の後部座席に敷くなど、毛布としての使い方もそのまま活きます。両面同じ柄なので、裏返して雰囲気を変えることもできます。フローリングでは滑り止めシートを併用してください。
CARE
お手入れは、羊毛の毛布と同じです。
ふだんの手入れ
掃除機は弱にして、毛並みに沿ってかけます。月に一度ほど、晴れた日に裏返して短時間だけ日に当てると、湿気と匂いが抜けます。長時間の直射日光は色が褪せるので避けてください。
汚れたとき
すぐに乾いた布で押さえて水分を取り、固く絞った布で叩くように拭きます。こすると毛羽立ちます。
洗うとき
浴槽に30℃以下の水を張り、ウール用の中性洗剤を溶かします。まず端を少し濡らして色が出ないか確かめてから、全体を沈めて10〜15分置きます。揉まずに、両手で押すだけにします。水を替えてすすぎ、大きなタオルで挟んで水を吸わせてから、日陰で物干し竿2本にまたがせて平らに干します。ヴィンテージの染料は現代のものより水に弱いので、洗うのは年に一度までが目安です。
やってはいけないこと
洗濯機で回す、乾燥機に入れる、お湯を使う、漂白剤を使う。いずれも縮みと色落ちの原因になります。ご自分で洗うのが不安な場合は、ウール対応のクリーニング店に相談してください。
SHIPPING
お届けについて。
ラグは折りたたんで、ビニールで防水したうえで箱または袋に入れて発送します。ご注文から2〜3営業日以内に発送し、発送のご連絡をメールでお送りします。合計¥18,000以上のご注文は送料無料です。ヴィンテージラグはほとんどが対象になります。
ヴィンテージ品につき、細かなキズや欠け、糸のほつれ、補修跡があります。目立つものは商品ページの写真と説明文でお伝えしていますので、ご購入前にご確認ください。

